はじめに
ジャズダンスの為にバレエレッスンを受けるという人も多いのではないでしょうか。今回はバレエの基礎を身につけることであなたのジャズダンスにどのように影響を与えるのかご紹介します。
■ ジャズダンスの特徴とは
(1) ジャズダンスとは
その歴史は意外と古く、1920年代へとさかのぼります。当時、アメリカのニューオリンズの庶民たちによって、音楽としてのジャズミュージックが誕生し、そして間もなく、そのジャズミュージックに合わせて踊るタップダンスが生まれました。さらに、当時は富裕層だけのものだったクラシック音楽に合わせて踊るクラシックバレエの要素を、庶民たちがタップダンスに取り入れたもの、それがジャズダンスのルーツだと言われています。その後、ジャズミュージックの世界的な普及とともに、クラシック音楽で踊る格式の高いクラシックバレエとは違い、ジャズミュージックで庶民が感情のまま楽しく踊れるダンスとして、ジャズダンスは一気に広まりました。そのような経緯から、ジャズダンスの動きの基礎は、クラシックバレエの動きとよく似ています。しかし、クラシックバレエほど厳密な決まりはなく、より自由に踊ることができ、その特徴は、身体の軸や細部まで意識した姿勢、しなやかな柔軟性を活かした流れるような動きを中心に表現されることです。
(2) ジャズダンスとバレエの違い
ジャズダンスは特に決まりはありません。決まりがないだけに自由すぎて形になるまで何度も練習しなくてはならない程です。逆にバレエはステップなど決まってるものが多かったり、バレエシューズやトゥシューズなど決まったシューズを履いて踊ります。
■ ジャズダンサーにバレエは必要なのか
(1) バレエレッスンのメリット
バレエで使う基礎筋肉や姿勢、ターンなどはジャズダンスでも多く必要とされます。バレエレッスンの全ての内容がジャズダンスに生かされるというわけではありませんが、バレエレッスンで身につけたことは必ずあなたのジャズダンスをよくしてくれるはずです。
(2) バレエレッスンのデメリット
バレエで使われるクラシック音楽にはいわゆるコードがありません。クラシックは、いろんな楽器の単音(メロディ)が折り重なって、大層なものはシンフォニーとなります。恐らく、その音楽で踊るため、バレエの振付けは、たとえ、その音楽が今様でコードがあって、ハッキリとしたビートのある音楽であったとしても、単にビートだけで振付される事は稀でしょう。仮に、バレエのクラスで、今の音楽を使いビートのみで踊ったとすれば、それは見ている方からは、ほとんどジャズダンスに見えるでしょうバレエを経てジャズを初めて難しいと感じる大半の方が、幼い頃よりバレエスクールに通い、クラシック音楽に親しみ、メロディで踊る事に慣れ過ぎている為だと推測します。だから、ジャズダンサーになりたい人にとってビート感は何よりも必須なので、ビート感がなくなってしまう事は極めて危険な事です。
(3) バレエは必要なのか
バレエは柔軟性や体の使い方という点では、他のダンスの役に立つことが沢山あります。方向性や手足の使い方などは、バーレッスンなどするだけでも、効果的に学べます。ところがバレエには独特な体の使い方があります。ターンアウトという股関節の外旋や、引き上げと呼ばれる体幹の上下方向のストレッチ、手や脚の方向やステップなどの時の体の使い方などさまざまにあります。これはバレエをする時にはとても便利で、これを練習することでバレエ的美しさを表現しやすくなります。
ところが他のダンスだと、それがいらない場面が出て来ることがあります。
コンテンポラリーダンスで床を使うような時は、バレエ的な引き上げよりも、逆に重力を感じる方が大切になることもあります。
答えは一言では言えません。
■ ジャズダンスの為のバレエレッスンは何をしたらいい?
・バーレッスン
一にも二にもバーにつかまって、足を出したり引っ込めたり、上半身はしっかりキープしていないといけません。
・ピルエットやシェネ等のターン全般
ターンは、HipHopジャズやバックダンサーの振付等ではあまり出てきませんが、ジャズダンスでは必須です。実際には、ジャズターンやペンシルターンやいろんなパターンのターンがあります。
・グランジュッテ等ジャンプ全般
クロスフロア(コーナー: スタジオの端から端までジャンプやターンをしながら前に進む事)などで、ジャンプした時に、誰でも初めは膝が伸びきらず曲がったまま、上半身や腰や腕も定まらず~ですが、正しい指導の元、飛んでいるうちに、序々にダンサーらしくなられるでしょう。
おわりに
ジャズダンスにとってバレエレッスンの必要な要素をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。自分のダンスの為に何が必要で必要でないか見極めながら習得できるとより良いダンスが出来るかもしれませんね。自分だけの素敵なジャズダンスを踊れるようにバレエレッスンを受けてみるのはいかがでしょうか。