◼︎はじめに
ジャズダンスとは?ジャズダンスは、アメリカで発展したダンススタイルの一つで、エネルギッシュで表現力豊かな動きを特徴としています。音楽のリズムに合わせて自由に踊ることができ、多様なスタイルやテクニックが融合したダンスです。
◼︎ジャズダンスの歴史
(1) ジャズダンスの起源
ジャズダンスの起源は、アフリカ系アメリカ人のリズムとダンスの伝統にさかのぼります。19世紀末から20世紀初頭にかけて、アメリカの南部で生まれたジャズ音楽とともに発展し、特にニューオーリンズがその中心地となりました。アフリカのダンスのリズムとエネルギーを基盤に、ヨーロッパのダンススタイルが融合し、独特のスタイルが形成されました。(2) ジャズダンスの発展
1920年代から1930年代にかけて、ジャズダンスはミュージカルシアターや映画の中で広く取り入れられ、人気を博しました。特にブロードウェイのミュージカルでの振付師たちの影響により、ジャズダンスはより洗練された形に進化しました。ボブ・フォッシーやジャック・コールといった振付師たちが、ジャズダンスのスタイルを確立し、舞台芸術としての地位を確立しました。
(3) 主な時代ごとの変遷
• 1920年代: チャールストンやリンディホップなど、活気に満ちたダンスが流行。• 1950年代: ミュージカル映画の隆盛により、ハリウッドでの影響力が増大。ジーン・ケリーやフレッド・アステアが象徴的な存在。
• 1970年代: ディスコと融合し、より商業的なダンススタイルが登場。
• 1980年代以降: モダンジャズやストリートジャズといった新しいスタイルが生まれ、世界中で愛されるダンススタイルとして定着。
◼︎ジャズダンスの特徴
(1) ジャズダンスの基本的な動き
ジャズダンスの基本的な動きには、アイソレーション(体の一部分を独立して動かす動き)や、リズミカルなステップ、ジャンプ、ターンがあります。フットワークやアームムーブメントも多様で、体全体を使った表現力豊かな動きが特徴です。
(2) ジャズダンスに求められる技術
ジャズダンスには、高い柔軟性と強靭な筋力が求められます。また、リズム感や表現力も重要な要素です。速いテンポの音楽に合わせて動くため、正確なタイミングとコントロールも不可欠です。バレエやモダンダンスの技術も取り入れられることが多く、総合的なダンススキルが必要とされます。
(3) 音楽との関係性
ジャズダンスは、その名の通りジャズ音楽との強い関係性があります。リズムセクションのビートに合わせて踊ることで、音楽のエネルギーを直接的に表現することができます。また、時代ごとに異なる音楽スタイル(スウィング、ビバップ、フュージョンなど)に対応してダンスのスタイルも変化してきました。音楽との一体感がジャズダンスの醍醐味であり、ダンサーの表現力を高める要素となっています。
◼︎ジャズダンスの種類
(1) JAZZ DANCE(ジャズダンス)
まずはJAZZ DANCEですが、イメージは少しクラシックバレエに近いような、滑らかに、体の全部を使って表現していくジャンルです。HIPHOPのようなアップダウンは一切ないですが、指先、足先、髪の毛の先まで気を使い、音を表現していくので、体の構造、筋肉、体幹などしっかりと自分の体と向き合い、鍛えていかないとケガにつながる恐れがあります。JAZZ DANCEを始めたい方は、まずは初心者のクラスから基礎を覚えてみましょう。
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(2) JAZZ HIPHOP(ジャズヒップホップ)
JAZZHIPHOPはJAZZ DANCEをベースに、HIPHOPのアップダウンの要素を融合させたジャンルです。JAZZの滑らかな部分とHIPHOPのダイナミックな動きを組み合わせて音楽、曲、ビートに合わせます。曲や動きはその振り付けをする先生によって違い、先生によってそれぞれの表現を楽しめるのも特徴です。今はやりのK-POPもJAZZHIPHOPが近いジャンルになっていきます。K-POPもそうですが、好きなアーティストや好きな振り付けをやっている先生を探してみると、いいかもしれません。
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(3) HIPHOP JAZZ(ヒップホップジャズ)
HIPHOPJAZZはJAZZHIPHOPよりはHIPHOP要素が強く、HIPHOPがあくまでベースになっています。なので、少し力強い表現が多く、JAZZHIPHOPの滑らかな動きもありつつ、しっかりと止める動き、かっこよくきめる!といったポイントが多く入ってくるジャンルです。また、比較的歌詞に合わせて細かい振り付けも入ってくるので、バックダンサーのようなかっこいい振り付けを楽しみたい方はこのジャンルがおすすめ。
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(4) JAZZ HEEL(ジャズヒール)
JAZZ HEELはダンス用のヒールを履いて体のラインを強調していくダンスです。HEELを履いて踊るということに慣れていない方には難しいことですが、HEELを履いた時の体の使い方、歩き方、姿勢など、少しモデルさんの要素もあり、女性らしい体づくりをしたい方にもおすすめです。またかなり体幹も必要ですが、セクシーに、すこし非日常を味わいたいなんて方におすすめ。NOAダンスアカデミー ジャズヒール ダンス動画
(5) JAZZ FUNK(ジャズファンク)
JAZZ FUNKはキレのある振り付けが特徴的で、JAZZの滑らかな要素とファンキーな、トリッキーな振り付け、スピード感のある振り付けを組み合わせています。メリハリをいかにつけられるか、また振り付けにプラスして自分の個性も出しやすいジャンルです。振り付けの先生もキャッチーな振り付けをつける先生が多いので、こちらも好みの先生を探してみるとのめりこんでしまうこと間違いなし。
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(6) R&B JAZZ(アールアンドビージャズ)
R&B JAZZはR&BというHIPHOPのジャンルの中でもグルーヴ感を出して踊るジャンルとJAZZ DANCEを組み合わせたジャンルです。音やリズムの1拍を余すことなく感じ取って表現していきます。JAZZ DANCEの中でも難易度は高めのジャンルですが、少しおしゃれなジャンルをやってみたい、ニュアンスや表現力を磨きたいという方にはおすすめのジャンルです。
(7) STREET JAZZ(ストリートジャズ)
STREET JAZZはJAZZの滑らかな要素とSTREET DANCEを組み合わせたジャンルですが、そもそもSTREET DANCE自体がHIPHOPの総称となっているので、HIPHOP JAZZとR&B JAZZなどとそこまで差はないジャンルになります。あえて言うならHIPHOPの要素のなかでもそこまで気張らず、アップダウンが激しいわけではなく、ラフに、フランクに踊るような感じ。まさに街中でちょっと踊ってみたといったような軽い雰囲気のダンスが特徴のジャンルです。
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(8) Groove JAZZ(グルーブジャズ)
Groove JAZZとはHIPHOP要素は全くなく、JAZZの滑らかなジャンルを生かして音にのる、リズムを体で表現するようなダンスです。イメージとしては少しディスコっぽいような、SOULやLOCKといったジャンルも少し入ってきますが、音に体が勝手にのってしまうようなそんなニュアンスのあるジャンルです。Grooveという言葉自体は「溝」という意味があり、もともとはレコードの針がぴったり溝にはまることからGrooveという言葉が生まれたと言われています。ダンスも音にぴったりはまるような、音やリズムを感じてきもちよくなるようなダンスが特徴なので、体を柔軟に動かせるかどうかがポイントです。
(9) FREESTYLE JAZZ(フリースタイルジャズ)
FREESTYLE JAZZはその名の通り、FREESTYLEで踊るジャンルで本来は各ジャンルのスタイルにこだわる事なく自由に踊るスタイルですが、そこにJAZZの滑らかな要素が加わったジャンルがFREESTYLE JAZZです。これこそジャンルという概念がほぼなく、ジャンルわけというところでは難しいジャンルかもしれません。自由で型にとらわれないダンスなので、その先生の振り付け次第。また振り付けを決めずに、こういう雰囲気やニュアンスを自由に踊るなんてことも多いジャンルなので、初心者の方やまだ経験が浅い方には難しいかもしれません。ただ逆に、自由に気兼ねなく踊りたいというかたはぜひ。